
さて演奏会場は福祉文化会館といいますが、そこからわずか数百メートルの近所に法林寺というお寺がありまして、ここにかの有名な虚無僧寺、普大寺の看守のお墓があるのです。会場の所在地もろくに調べずに浜松入りをしようとしていたところ、それを察した浜松出身のお弟子さんが教えてくれたのです。「先生、今度の演奏会場は普大寺跡のものすごく近くですよ!」 おぉ、何と気の利くお弟子さんでしょう!リハーサルの合間にお参りして来ました。40年もその伝承曲を吹いてきたのに、一度もお参りしたことのない普大寺跡でしたから、実に感慨深かったです。結構蚊にさされましたが・・・。
当日は悪天候が思いのほか早くに晴れ渡りましたが、もの凄く高い湿度となりました。高湿度は尺八には好都合ですが、箏、三味線には最悪です。絹糸がバンバン切れてしまい、箏の柱はきしむし、演奏者は汗だくで大変な苦労でした。雨天にならないのは強烈な“晴れ女”砂崎先生の恒例のことですが、あの湿気を呼んだのは、尺八に加勢してくれた普大寺虚無僧の霊の力ではないかと思われてなりませんでした・・・。合掌。