ブログはしばらくのご無沙汰となりました・・・。春の演奏会シーズン、今年は早くもひと段落なので、思い出をご報告いたします。
4/11(土)、トッパンホールで「船川利夫 追悼リサイタル」がありました。残念ながら入場者が100人一寸しか入らず集客は大失敗でしたが、内容はとても面白い演奏会だったと思います。私自身は不慣れなジャンルで不本意でしたが、他は実力派プレーヤーの競演でした。ソロをとった三橋貴風、郡川直樹、河野正明、菅原久仁義、藤原道山の各師は大変な熱演で、尺八のみならず箏曲、三味線陣営もかなり高いテンションだったと思います。どの曲も水準が高かったと思いますが、個人的には親しい井関一博(箏・歌)さんの独奏が印象的でした。
しかし忘れようにも忘れられないプレーヤーは素川欣也さんです。この人は名人です!「覚」という尺八の合奏曲で同じ低音部をご一緒させて頂き痛感いたしました。職人風というか、業師ですね。それでいてちっとも偉ぶらないし、気取らないし、素晴らしい。楽屋では「与作」のアドリブを楽しんで演奏するという余裕で、しかもこれが抜群にウマイ、尋常の演奏力ではないと思いました!
もう一つのエピソード。菅原さんが「出雲路」を演奏している最中に、楽屋でピシっと鋭い音が鳴り、全員が蒼ざめました。「今の音は・・・」と口にした瞬間、部屋にいた誰もが、竹の割れた音と確信したのでした。何とこれからソロを演奏する三橋さんの楽器でした。緊急事態発生。さすが百戦錬磨の三橋さん、補修用具のテグスとペンチの備えがありました。しかし、プロの技でそれを締めたのは素川さんでした。本番まで一時間、修復される保障はありません。万が一に備えて家の一番近い藤原道山さんが代わりの楽器をダッシュで自宅に取りに走るかなどと、大騒ぎしながらも三橋さんご自身の楽器が、素川さんの技によってナントそのまま治ってしまったのです。皆固唾を飲んでその作業を見守りました。(菅原さんゴメンナサイ、楽屋では「出雲路」を誰も聞きませんでしたm(__)m・・・)
尺八製作の作業台もない楽屋です。そこであの田辺頌山さんがアシスタントとなって楽器を支えていたのですよ。現代尺八奏者の名人達人がヨッてタカッて三橋さんの楽器を見事に修復した様子は映像に残しておきたかったです。なんとも感銘深い光景でした。
演奏は聞かせていただきました。
ネットではこの演奏会については喧々諤々、いろいろありましたが、よい演奏会だったと思います。
それにしてもすごいメンバーですね。
演奏会の曲は少し聞かせていただきました。
素晴らしい演奏でした。
あの演奏会についてはネットでもその是非が喧々囂々いろいろありましたが、内容としてはとてもすばらしいものだと思います。
ぜひ生で聞きたかったです。